「宮崎駿監督と高畑勲監督との時間は素晴らしかった」ブラジルの注目アニメーターが語る日本からの影響
ただ、この映画は観客にとっては簡単な映画ではないというか、何も考えずにリラックスして観られる作品ではないかもしれません。
というのも、とてもオープンに作った映画なので、観ている人たちが考えながら自分に合わせて映画を完成させていくような側面があると考えているからです。受動的な作品ではなく、課題や心に残ったものをみなさんに持ち帰っていただき、それぞれの映画にしてもらいたいなと。もともと僕の映画はすべてが解決しない作品が多いほうですが、あとはみなさんの考え方や問題に合わせて観ていただけたらと思っています。
日本のアニメーションからは、多くのことを学んだ
―監督を筆頭に「イベロアメリカ」に対する注目も高まっていくと思いますが、ブラジルのアニメーション業界の現状についても教えてください。
監督おそらく、いまブラジルで活躍しているアニメーション作家は、ブラジルのアニメーション業界においては、最初の世代と言えるかもしれません。なので、まだまだこれからですが、最近はアニメーション作家を目指す人も多くなってきました。
その背景としては、国際映画祭などで作品を発表する機会が増えてきたことやブラジル政府が映画制作に対して資金援助をしてくれる制度ができたことも大きいと感じています。