ショック・ドクトリンを疑う声も…イスラエルとハマスの戦闘拡大の理由を考える
それが引き金となり、ハマスは今回の襲撃を開始したという報道もあります。
ハマスがイスラエル攻撃に向けて準備をしているという情報は、エジプトなどを通じてネタニヤフ首相の耳に入っていたといわれています。諜報能力に長けたイスラエル国防軍がなぜ襲撃を許したのか。危機を利用して、政権基盤を安定させようとするショック・ドクトリンを疑う声もあります。
今回の戦闘に刺激を受けるように、イランから支援を受けている、イエメンの武装勢力フーシ派や、レバノンに展開しているイスラム組織ヒズボラもイスラエルに攻撃を開始。イランとイスラエルの緊張状態が高まり、第3次世界大戦に広がるのではないかと懸念する人もいます。問題は、イスラエルでもパレスチナでも大勢の民間人が被害に遭っていることです。双方合わせて死者は1万1000人を超えており、女性や子供たちが犠牲に。
国際法で禁じられているはずの学校や病院なども攻撃されています。国連の休戦決議採択後もイスラエルの攻撃は拡大。ようやく11月22日に4日間の戦闘停止が合意されましたが、国連の抑止力が失われていることが明白になりました。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。