くらし情報『傷つけられるのに100%嫌いにはなれない“毒友”…作者の経験をもとにした青春小説』

2023年12月13日 21:00

傷つけられるのに100%嫌いにはなれない“毒友”…作者の経験をもとにした青春小説

これからの関係性を考えていく手がかりになったんです」

寿美子の高校生活は少しずつ変化していく。れいちゃんとは別の親友や所属する文芸部の仲間、家族との関係の変化や、進学に関する不安、恋の予感なども実に繊細に描かれ、そのどれもが読み応えたっぷり。

「中学や高校の3年の間でも、人間関係はどんどん変わっていく。だから今悩んでいる人も、どうにか乗り切ってほしい。学校生活がすべてではないこと、自分の感情に嘘をつく必要はないんだよってことは、地道に伝えていきたいです」

木の枝を剪定するように人間関係にも剪定は必要、と砂村さん。物語の後半、れいちゃんからもらった手紙を読んだ寿美子が下す決断に、励まされる人も多いのでは。

「いただいた感想に“私自身がれいちゃんだったかもしれない”とあって、はっとしました。別の方からは、“御守りのような一冊になりました”という言葉もいただいて。
ああ、自分はこのためにこれを書いたんだなと思えました」

読めばきっと、新たな気づきを与えてくれるはず。必読です。

『苺飴には毒がある』高校生の寿美子には陰口好きな幼馴染みがいる。寿美子に対して意地悪な時も優しい時もある彼女に、感情を振り回されていたのだが…。

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