磯村勇斗「ビビッときました!」学生時代から好きだったキース・へリングの魅力を熱弁
友だちになれそう(笑)
――本展では、キース・ヘリングの生涯についても詳しく触れられています。この点について、どう思われましたか。
磯村さんキースはパートナーを亡くし、自分がエイズであることも知り、死を感じながら創作活動をしていました。死を知りながら、何かものづくりをするというのは、どんな気持ちだったのだろうか、とすごく考えます。当時描いていた絵を見ると、ものすごくエネルギーがありながらも、どこか寂しさもある。でも、それを悲しく描くのではなく、最後まで色を使って明るく描いて、明るく生きていこうとしていたのではないかと僕は感じました。鑑賞者の立場になり、アートはみんなのため、という想いを最後まで心の中に秘めながら描いたのではないかと思いました。
――キースのアーティストとしての活動期間は約10年間でした。
磯村さんもデビューして約10年ですが、今回彼の作品を観られて、改めてどう感じられましたか。
磯村さん10年という短いなかで絵を描き、それが今の世界でみんなに知られている。彼がもし今生きていたら、どんなふうに作品を作って世の中にメッセージを届けていたのか気になります。キースの作品にはセクシャルな部分など社会的なメッセージもあり、現代でも通用するものです。