世界で60万回以上再生! ダウン症の弟と兄が作った動画を基に映画化「人の心を語っている作品」
まるでスイッチを押しているかのように観客から反応が返ってくるので、それがこの物語の持つ力ではないかなと。僕自身も文化や障がいを超えて訴えかけられる映画を作れたことを大変うれしく思っています。
障がいについての映画ではなく、思春期の兄弟を描いた
―本作はただの感動ストーリーやお涙頂戴のような作品になることなく、コメディや青春の要素を絶妙なバランスで織り交ぜているところがおもしろかったです。制作するうえで、意識されていたことはありますか?
監督僕たちがこの映画を作るにあたって、共通認識としていたのは「障がいについての映画を撮っているのではない」ということでした。なぜなら、障がいについて真正面から切り込みたかったわけではなく、あくまでも兄弟の関係について語りたいという気持ちが強かったからです。とはいえ、障がいのある家族がいる人たちは、さまざまな問題を抱えており、ときにはそれを恥だと感じてしまうこともあると思います。
でも、そこを乗り越えて成長し、受容していく姿を見せたいと考えました。そういったこともあり、この作品ではジャックの成長譚が核となっています。
それに、彼が感じる「恥」という感情は、障がいを持った兄弟がいるからではなく、思春期にありがちなこと。