くらし情報『課題は山積み!? 3月末まで実施中の「緊急避妊薬試験販売」を考える』

課題は山積み!? 3月末まで実施中の「緊急避妊薬試験販売」を考える

48時間以内であれば85%、72時間以内であれば58%。高い確率で妊娠を防ぐためには急いで服用しなければなりません。性暴力を受けた場合には急いで服用しようとするでしょうが、性暴力被害は知人や肉親から繰り返し受けていることも多く、そうした場合、適切なタイミングで緊急避妊薬を手にするのは難しいかもしれません。

ちなみに、WHOは緊急避妊薬を医学的管理下に置く必要がない薬とし、国際産婦人科連合も、医師によるスクリーニングや後日のフォローアップは基本的に不要としています。

日本では、「緊急避妊薬が簡単に手に入れば、かえって望まない妊娠が増えるのでは」といった間違った認識や、「性の問題について明るいところで話すものではない」という古い考えが未だにあり、緊急避妊薬の薬局販売も世界の中では非常に遅れています。

性教育のあり方を見直す必要がありますし、性と生殖に関して自分で決める権利「リプロダクティブ・ライツ」の観点が重要だと思います。試験販売は3月末まで行われる予定ですが、本当に必要な人に届くのかなど、課題は山積みです。
課題は山積み!? 3月末まで実施中の「緊急避妊薬試験販売」を考える


ほり・じゅんジャーナリスト。
元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」

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