かわいい装丁も増加中! “ロマンス小説”がアメリカのZ世代に人気な理由
またLGBTQを取り扱った作品も増え、白人女性だけでなく黒人やアジア系が主人公の作品が登場したりも。実はロマンス小説は昔から、恋愛だけでなく今を生きる女性の抱える葛藤や問題にもフォーカスしている側面があります。恋のハラハラドキドキを味わわせてくれながら、女性読者に対して“自由に生きていいんだよ”というメッセージも送ってくれている。書き手も読み手も圧倒的に女性が多い世界なので、シスターフッド的な繋がりを感じられることもあります」
主人公と恋の相手を待つのは、幸せな結末であるというのも、ロマンス小説の良いところ。そこだけは絶対に変わらない。
「幸せの絶頂で本を閉じることができる。それが確約されているので、どんな山あり谷ありでも安心して読むことができる。社会が不安定な今だからこそロマンス小説が支持されるのかもしれません」
本は、何度も読み返せるところが最大の長所だと、山口さん。
「自分に響いたセリフを読み返すことは、自分自身をエンパワーすることにも繋がります。力になる作品はロマンス小説の中にもたくさんありますので、ぜひお気に入りを見つけてみてください」
王道あり、新感覚あり。山口さんおすすめ、珠玉の4 冊
舞台は18世紀の英国、ヒロインの腹黒さが痛快!
『没落令嬢のためのレディ入門』
著・ソフィー・アーウィン訳・兒嶋みなこミラブックス1250円
妹を守るため裕福な名士との結婚を狙う没落令嬢のキティは、母の旧友に手ほどきを受け可憐なレディに変身し、社交界の花に。