巨匠画家マティス、本邦初公開となる大作も! 晩年の「切り紙絵」に注目した展覧会
「色彩の魔術師」と呼ばれた20世紀の巨匠画家アンリ・マティス。彼は20世紀初頭、原色を多用した強烈な色彩による絵画様式“フォーヴィスム(野獣派)”を生み出し、生涯にわたって色とフォルムによる造形美を模索し続けた。1941年、腹部のガンのため車椅子生活となり、絵が描けなくなった彼が精力的に取り組んだのが「切り紙絵」だった。
巨匠マティスの愛した手法「切り紙絵」にフォーカス。
本展「マティス 自由なフォルム」はマティスが晩年に取り組んだ切り紙絵に焦点を合わせた初の展覧会。切り紙絵作品を表紙にしたアートブック『ジャズ』や、《ブルー・ヌードIV》や《クレオールの踊り子》といった切り紙絵の代表作やテキスタイル、晩年に取り組んだヴァンスのロザリオ礼拝堂にまつわる作品など、約150点が一堂に集結。
なかでも見逃せないのは、本邦初公開となる切り紙絵の大作《花と果実》。縦4m・横8mに及ぶ大作だ。
これは、もともと別荘の中庭に設置する巨大な装飾として考案されたものだったが、現在ではニース市マティス美術館のメインホールを飾る作品だ。それが本展のために修復を経て初来日したが、巨大かつ華やかな独特の存在感で、会場では早くも本展の象徴として親しまれている。