激レアな“お雛様グッズ”もかわいい…! 岩﨑家のゴージャスなお雛様を愛でる展覧会
おもしろいのは、お雛様の姿です。衣裳は平安期の十二単(じゅうにひとえ)ですが、道具類は武家のもので、「公武合体」しているのです。幕末よりも前に、文化の面ではすでに公家と武家が一緒になっているのが興味深いです。
小さくてかわいい!
五世大木平藏「貝桶・合貝」昭和時代初期20世紀丸平文庫蔵
では、見どころをいくつかご紹介。
第1章「雛の世界―小さきものは、みなうつくし」では、岩﨑家が京都の丸平大木人形店に注文した雛道具を展示。一つひとつ精巧につくられた美しくかわいい道具一式を見ることができます。
今の雛道具は、江戸時代の上級武士の婚礼調度を参考につくられているそうです。室町時代に婚礼調度が整い、江戸時代に広がって雛道具セットがつくられるようになりました。
この章で特にかわいい作品は、「貝桶(かいおけ)・合貝(あわせがい)」。ハマグリの貝殻を用いた「貝合わせ」という遊びに使われるもので、爪先ほどの小さなハマグリの稚貝の内側に華やかな吉祥図が描かれています。ハマグリは「貞節の象徴」ということで、貝桶が婚礼調度に使われるようになったそうです。
ちなみに、岩﨑家が雛人形を注文した丸平大木人形店は、約250年も続く京都の人形司で、当主は「大木平藏」