幾田りら、映画『デデデデ』で「おんたんを演じるのはあのちゃんじゃないと絶対ダメだった」
自分にしか書けないような、面白いワードを入れることも意識して。
幾田:私は、後章の最後に流れる曲なのでこの先ふたりの物語がどうあってほしいのかというのを考えながら、観終わった方の願いみたいなものを音楽にしたかった。“ザ・青春バンドサウンド”を目指しつつ、遊び心として私とあのちゃんの普通の会話を録音したものも入れたんです。
――同じ物語でも、違う主題歌がつくというのは新鮮で楽しみです。ちなみに、コロナ禍を経験した今、この作品を届ける意味はどんなところに感じていますか?
幾田:本当は、平穏というものは世界のかなり絶妙なバランスの上で成り立っていて、でも平穏の中にいるとなかなかそれに気づけない気がします。コロナ禍を経験した今こそ、それを思い出すという意味を持っているのかなって。非現実的なようだけど、でも何が起こってもおかしくないよね、という私自身の感覚を、きっとみなさんも感じていただける気がします。
あの:コロナ禍においてみんなの考え方が違ったり、いろいろな思想が生まれたりしたからこそ、それによってコロナ禍以前からあったこの漫画はファンタジーとは言い切れない、現実味のある作品になったと思います。