尾崎世界観「意外とエゴサーチがいいんです。腹も立ちますけど (笑) 」 バンドマン特有の“色気”を分析
だから、常に自分自身にネガティブな視線を向けるように意識しています。それには意外とエゴサーチがいいんです。腹も立ちますけど(笑)、“確かにな”と思うことが一つでもあれば、こちらにとっては得しかない。損得関係なく文句を言ってくれる存在は、いま周りにはなかなかいないので、一つの意見として受け止めています」
SNSで書かれていることが多数派のように聞こえてしまう時代にあって、色気の在り方にも変化が起きているよう。
「バンドも、ファンの声や反応に過剰に引っ張られているところがありますよね。ファンの見方がより高度に、評論家っぽくなってきている。だから、もしかしたら“色気”というのも、各媒体やSNSで言語化されすぎて、感じる前に消えてしまっている可能性もありますよね。自分が名乗っている“世界観”は、説明しがたいものをとりあえずそういうものにしておくための言葉という印象ですが、“色気”だって、もうちょっと言葉にならない、伝わり切らない感情だったはずです」
詞に限らず、エッセイや小説も書く尾崎さん。
言葉の使い手として色気は意識しているのだろうか。
「発する側としては、何でも好きに言うわけにいかない状況で、どう伝えようか考えるのもゾクゾクしますね。