“死者の作品しかない美術館”で初開催…現代アーティストの刺激的アートが集まる展覧会
続く1章のタイトルは、「ここはいかなる記憶の磁場となってきたか?」。
1章で目を引いたのは、内藤礼のアクリル絵画《color beginning》。本作品の隣には、国立西洋美術館の所蔵作品であるポール・セザンヌの油彩画《葉を落としたジャ・ド・ブッファンの木々》が並び、この二作品だけ、ほかのアーティストたちの作品とは離れ、大きな壁で仕切られた端っこにある静かな空間に展示されています。
解説によると、セザンヌの『葉を落としたジャ・ド・ブッファンの木々』の隣に、自身の絵画を距離をあけて展示する、というプランを内藤が提案。この展示室を見た感想としては、シンプルに、居心地のいい空間だと思いました。
イケアの家具が展示室に!?
展示風景より、小田原のどかの作品など
続く2章「日本に『西洋美術館』があることをどう考えるか?」では、靴を脱いだ空間で鑑賞する小田原のどかの作品群がユニークです。
彫刻家の小田原は、国立西洋美術館の彫刻が免震用台座のうえに展示されていることに興味を示し、彫刻を「転倒」させたインスタレーションを制作。まっすぐ立っているのが当たり前、というイメージがある彫刻が倒れている光景は、なかなかインパクトがあります。