デビュー9年目、藤原さくら「今でも一番好きなアーティストはポール・マッカートニー」
プロデュースをお願いした石若駿さんには、私が最近好きなテイストの曲をプレイリストで送って聴いてもらったり、1曲ごとに“こういう雰囲気に仕上げたい”などと伝えていく作業を繰り返したんですが、9年間の活動の中で、音楽の方向性に対する意思を伝えられるようになったと思います。それっていい成長だな、って。
――聴いていて、美しくもカッコいい世界観に足を踏み入れた感じがしました。
ジャズマンたちが集結してレコーディングをしたんですが、テンポを出さずに録った曲も多かったので、すごくライブ感のあるテイクがたくさん録れて楽しかったです。いま一緒にやりたい人と音楽を作る、というのはこれまでと変わらない共通点ですが、コロナ禍でライブができなくなって、今ある日常が当たり前じゃないんだと思った時に、一緒にいる人を大切にしたいとか、今の気持ちを優先したいとより思うようになりました。そして、そう思えたことで、嫌なことも全部無駄じゃなかったし、失敗しても必ず残るものはあるから、とりあえずいったんやってみる、という生き方をするようにもなって。どんどんポジティブな人間になってるみたい(笑)。
――お話ししていてその人柄も伝わってきます。