金原ひとみ×ゆっきゅん「大人にこそバイト先が必要」な理由
ゆ:金原さんのお子さんってもう高校生でしたっけ?
金:今16歳なんですけど、友達とお互いを批判し合う文化がないんです。だから私が“それは違う”ってはっきり言うと“そんな全否定しなくてもいいんじゃない”って目を向けられる。
ゆ:私も最近、共感ばかりでつながるのはヤバいなと思いました。
金:私もたとえ嫌な相手でも全否定はできないところがあると考え始めて、ちょっとずつ受け入れていかなきゃと思いました。宗教も人種も考え方も生い立ちも違う人とも世間話ができたりとか、円滑に生きていく術は必要だなって。
ゆ:金原さんの『ハジケテマザレ』を読んだ時に、バイトの人間関係ってそうだったなって思いました。明らかな他者というか、全然自分と違うところで生きている人との会話って、すごい好きだったんだなって、自分のバイト経験を思い出したりして。
金原ひとみさんの『ハジケテマザレ』(講談社)。
最高のバイト小説!
金:私も書いている時に久しぶりにバイトしたくなりました(笑)。別に仲良くする必要もない、束縛もない状態で、たまたま集まったメンバー同士が、その場限りの楽しい空気を作るって、大人になるとなかなかないから。