矢部太郎「気軽にOKしたのですが… (笑) 」 初の大規模展覧会のために約100点描き下ろし!
だから毎日早起きして絵を描いて、その後、平安時代(大河ドラマの現場)に行っていました」
また会場では、漫画の中にある「ライトとおやき」の紙芝居が上映されるほか、「空飛ぶふたり」も映像化されるなど、作品をあらゆる方法で体感できるインスタレーションがそこここに。もちろんこの中には、矢部さん発案のプランもあるという。
「僕が大家さんとよく行った蕎麦屋にあった、10円玉を入れて使う昔の公衆電話。これが会場に設置されていて、来場者はその電話を取ると受話器からランダムに僕からのお礼の言葉が聞こえてくる仕掛けです。他にも大家さんの家に設置されていた、思い出の感知ライトも登場します」
と、来場者は作品の名場面を追体験できる演出に。漫画を読んだことがない人でも楽しめる内容だ。
矢部さんが絵を好きになったのは、絵本作家である父・やべみつのり氏の影響が大きい。そこで本展では、彼の作品『ぼくのお父さん』に関するコーナーも展開。
父による家族絵日記「たろうノート」や、幼い矢部さんが父の勧めで始めた「たろう新聞」の現物が初公開され、当時住んでいた東京・東村山市での暮らしぶりを体感できる映像インスタレーションも設置。