恋愛、仕事、出産への焦燥感…高学歴女子あるある物語『東大の三姉妹』
外資系企業に勤める長女・世利子(よりこ)、テレビ局でプロデューサーとして働く次女・比成子(ひなこ)、理系の大学院でカビの研究をする三女・実地子(みちこ)。三姉妹の共通点は元・現の東大生!磯谷友紀さんの『東大の三姉妹』は高学歴女子あるある物語だ。
高学歴は、女性の武器か足枷か。三者三様の幸せ探しストーリー。
「1年以上かけて、本当にたくさんの東大卒女子たちに取材したんですね。頭が良くて、周りもよく見えているから、どの方からも面白いエピソードが聞けたんです。なるべく振り分けて使いたいなと思ったのと、もともと三姉妹好きというのがあって、こうなりました」
個性派揃いの彼女たちの下には、弟の一理(いちり)がいる。東大に落ちた末っ子は、姉たちに振り回されながらも、否応なく女ごころに敏感になり、要領よくサポートする立場に。
その優しさと献身に、心がくすぐられる女性は多いのでは。
「自立心の強い姉たちだけだと、いずれケンカ別れしたりもしそうで…。冷静な観察役であり、クッション役も務める一理みたいな存在が欲しかったんですよね」
1巻でぐっと掴まれるのは、世利子や比成子の恋愛模様だ。世利子は初恋の相手で高校教師の岸里が忘れられないのに、自分の人生計画通りに事を進めたい気持ちが強すぎるのが難。