佐藤水菜選手「父と同年代の男性たちに圧勝できるのも快感だった (笑) 」 自転車競技にハマったきっかけ
やがて周囲に勧められ、高校卒業後に日本競輪選手養成所に入所、翌年には女子の競輪「ガールズケイリン」でプロデビューした。3年後、22歳でトラック競技のナショナルチームへ。ハードな練習を重ね、この1年は権威あるトラック競技の国際大会「ネーションズカップ」の女子ケイリンで3連勝する傍ら、本業のガールズケイリンで’23年の賞金女王に輝くなど、破竹の勢いだ。
自身の強みを、「勝負どころの見極め力」と分析する佐藤選手。
「仕掛けるべき時が来ると、顔に受ける風や聞こえる音、周囲の選手の体温などが微妙に変化するのが分かるんです。その瞬間を逃さないように、絶えず五感を研ぎ澄まして走っています」
昨年のジャカルタでのネーションズカップ・女子ケイリン決勝でも、その鋭い感覚で勝利を引き寄せた。身長が180cm近くある大柄な外国人選手に囲まれながら終盤、並走する選手の一瞬の遅れを見逃さずに前へ。外側から先頭走者をかわし、見事優勝した。
「めちゃくちゃ爽快でした。海外の強豪選手たちにテクニックで勝てたことも、自信になって」
体格が良く脚力のある相手に対しても、「空気抵抗が少ない分、自分が有利」など、ポジティブに考えられるようになった。