藤竜也と森山未來が『大いなる不在』で父子に! 森山「人間の根源的な部分を感じさせる作品です」
さんとかなり話させてもらいました。脚本自体、近浦さん自身の経験に紐づいている部分があったので、実際に認知症のお父さんに会ったときのことや、父子の関係値、そういったことを話している監督自身の様子など、それらから少しずつヒントをもらって、役を積み上げていった感じです。
藤:私自身も日々老いと向き合っているわけで、シンパシーを感じましたし、人生の末期に迷宮に入り込んでしまった人間というのをわりとすんなり掴むことができた気がします。妄想を話す場面も、陽二の中では実際に起きたことなわけですから、話しているうちに本当にボロボロ涙が出てきちゃったりして。
森山:物理学者でロジックの世界の中で生きてきた陽二さんが、言葉や記憶を剥ぎ取られていく中で、コアにある他者への求めが剥き出しになっていく。そういう人間の根源的な部分を感じさせる作品ですよね。
藤:怖いし感動もあるし、この映画を観終わった後の不思議な感覚を、ぜひ味わってほしいですね。
『大いなる不在』森山未來と藤竜也が初共演を果たした注目作。
トロント国際映画祭やサンフランシスコ国際映画祭など国外の映画祭でも高い評価を得ている。監督/近浦啓出演/森山未來、真木よう子、原日出子、藤竜也ほか全国公開中。