人気クリエイターたちが集結! “ここではないどこかへ”を再解釈した「行方不明展」
で検索すると、つぶやきが数百も出てくるんですけど。シリアスなものもありますが、異世界転生のような、“ここではないどこかに行きたい”“社会的に持っているいろいろな文脈から解き放たれたい”という願望もあるだろうなと。「失踪」や「喪失」とは違う、あくまでも「行方が不明になる」という言葉じゃないといけないものがあるんです。
大森:2020年代のSFとか、いろいろな文脈においてもキーワードになっていることの多い“ここではないどこかへ”ということを再解釈した展示だということは、全員に共通できている点なのかな、とは思いますね。
――普段、文章やテレビ、映像などで作品を発表することが多い3人。箱の中に展示をすることには、面白さや新たな発見もあったという。
寺内:僕が制作したのは、“行方不明になりたい人”の世界観を展示する空間に置く映像で。映像を作る時は基本的に、フリやオチをちゃんと用意するのですが、今回の展覧会ではそうした前後の文脈が空間の中にあるので、よりソリッドな表現を追求できました。
いつもとはまた違う楽しみがありましたね。
大森:自分の見たいものだけを好きなだけ見られることや、それが見る側に一任されているというのは展覧会ならでは。