堀潤「世界の平和と安定には、中道的なものを構築することが大事」 欧州で台頭する“極”を警戒
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「極右政党の躍進」です。
思想ではなく、生活苦から極に振れる危険性。
今年は世界的な選挙イヤー。近年、欧州で極右政党への支持が増しています。フランスでは、欧州議会議員選挙で極右政党の「国民連合」が議席数を伸ばしたことを受け、マクロン大統領は下院を解散しました。総選挙で中道に戻るという目論見でしたが、6月末に行われた第1回投票では「国民連合」がトップになり「極右連合」と合わせた得票率は33%を超えました。2位は極左政党の「不服従のフランス」を中心とする左派連合で得票率は約28%。
マクロン大統領を支持する中道の「与党連合」は3位と大敗しました。ところが第2回投票では左派連合「新人民戦線」が議席を伸ばし、「与党連合」が2位、「国民連合」が3位に。極右に傾くことを恐れた有権者が多く投票したことが反映されました。
欧州で右派や極右が支持を得てきた背景には移民問題があります。中東やアフリカから移民や難民が大量に入ってきたことにより、自分たちの仕事が奪われ、暮らしが脅かされるのではないかという不安が広がりました。