古い固定観念が地域の女性たちの暮らしを圧迫…「若年女性の地域 (地方) 離れ」の背景とは
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「若年女性の地域(地方)離れ」です。
女性たちが住みたいと思う、魅力的な地域づくりを。
2020~2050年に20~39歳の若年女性の人口が半数以下になる自治体が、1729のうち744に上り、それらの自治体は消滅する可能性があると、民間の有識者グループ「人口戦略会議」が4月に発表しました。
地域から若年女性が流出しているのは事実ですが、「若い女性が減る=少子化が進む」と考えるのは、「女性は子供を産み、育てるもの」というアンコンシャス・バイアスがかかっていると思います。男性中心の、古い固定観念が地域の女性たちの暮らしを圧迫し、希望を失わせています。
地域の役所や議会、産業が多様化していかなければ、日本のジェンダーギャップの改善はないでしょう。地域によっては、「女性の活躍」という文脈で自治体が「お母さんと妻に感謝しよう」というキャンペーンを張ることも。
感謝の気持ちを伝えることは悪くありません。ただ、目指すべきは分業です。家事や子育てを女性だけに押し付けていないか、考え直す必要があります。