竹中夏海「アイドルの心や体のケアをなおざりにして未来のエンタメは生み出せない」
愛に溢れたポジティブマインドで演者を支える振付演出家の竹中夏海さん。近年はアイドルの健康課題や労働環境に向き合う活動も。新しい分野に前向きにトライする理由を聞きました。
「居場所を作りたい」がすべての原動力に。
国民的アイドルからお笑い芸人まで、ジャンルや年齢、性別問わず、踊り手の魅力を引き出す振付や演出を行う竹中夏海さん。アイドル専用ジムの監修やアイドルとお笑いを組み合わせた舞台をプロデュースするなど活躍の場を広げている。
「これまでたくさんのアイドルと仕事をしてきましたが、彼女たちが置かれた労働環境に疑問を感じるようになって。公開ダイエット企画とか、十分な練習もなく長距離のマラソンに挑戦させるとか。
そういう状況に“おかしい”と声を上げても、“まぁ、こういう世界だから”と真面目に取り合ってもらえない。でも、アイドルの心や体のケアをなおざりにして未来のエンタメは生み出せないと思って。業界のトキシックな面を改善して、女性が安心して活躍できる場づくりをしたいと思うようになりました」
そこで、竹中さんはこれまであまり語られることのなかった月経困難症や摂食障害、性教育、体づくりなどアイドルの健康をテーマにした本『アイドル保健体育』を出版。