”あなたの感受性を育む”この時季の俳句とは?【11月27日〜12月1日】
もがり笛の正体が、風の又三郎と思えばこわくなくなるから不思議ですね。
物語は、ある風の強い日、不思議な少年・三郎が村の小学校に転校してくるところから始まります。子どもたちは、自分たちとあまりに違う表情や行動をする三郎のことを”風の神さまの子”ではないかと噂しつつ、徐々に受け入れていきます。
しかし、三郎はたった11日で転校をしてしまい……まさに風のようにあらわれ、挨拶もなく、風のように去って行ったのでした。
村の子どもたちは三郎が去ったあと、この句のように風に向かって「やぁーい」と声をかけていたに違いありません。ひとりぼっちの夜道、虎落笛を聴くたび、私も風に乗る三郎をイメージして、時々「やぁーい」と声をかけたくなります。風だけでなく、私たちの身近な自然から、イメージを膨らませてみれば、きっとあなたの感受性も育まれるはず。
俳句や、そこに込められている季語は、あなたの感受性を豊かにしてくれる”心のごはん”。
あなたも、先人のように自然から栄養を得て、毎日を楽しんでみてはいかがでしょう。
【参考】『くらしを楽しむ七十二候』広田千悦子/泰文堂