「トーマス・ルフ展」に行ってきたレポート!新たな写真の世界を目撃せよ
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●評価を高めた「Porträts(ポートレート)」
ギャラリーに入ると、まず目にとまるのは大きな人物の写真です。自分の身長よりも大きい写真…インパクトに驚きます。縦は210cmで横は165cmもあるそう。これは、トーマス・ルフの評価を高めたきっかけである「ポートレート」という作品です。
一見ありふれた証明写真のようにも見えるポートレートですが、巨大なサイズに引伸ばされた作品の前に立つと、そうした印象は一変します。まじめな表情で写真におさまっている様子は、カメラの背後にある権力の存在を感じさせます。写真と現実、被写体と写真家、写真とそれを観る人。写真をめぐるさまざまな関係性に問いを投げかける作品です。
●初期作品「Interieurs」
トーマス・ルフがデュッセルドルフ芸術アカデミにー在学していたときの作品です。4x5インチ判の大型カメラを手に入れたルフは、ベルント・ベッヒャー教授に椅子を撮影する課題を与えられたことをきっかけに、生活空間としての室内というテーマに関心を持ちます。対象となったのは、友人たちや故郷の家族、親戚などの暮らす、身近な環境としての室内。