2023年4月8日 19:20
<選択的シングルマザー>「母の望み通りの姿でいなきゃ」自分を押し殺していくうちに体に影響が出て
結婚せず自らがシングルマザーという生き方を選ぶ「選択的シングルマザー」として生きるレイさんは、「精子バンク」で愛する娘を授かりました。まだ社会では認知度の低い「精子バンク」を利用しての出産。レイさんの選択には、過去に受けた実母からの虐待や、性別不合(体と心の性が一致しないこと)、人に対して性的欲求が湧かない無性愛など、といった複雑な背景がありました。さまざまな苦悩を乗り越え、娘とともに自分らしく生きる道を見つけたレイさんの、実際にあったお話です。
本当の自分は男の子? 女の子らしく生きるって苦しい…
私は幼いころ、パソコン好きの寡黙な父と秋葉原で電子部品を見たり、静かにドライブをするのが好きでした。
しかし父とは対照的に、おしゃれ好きの母は着飾った私を連れて銀座を歩きたがり、ピアノやバレエを習わせて、私が「お嬢様」であることを求めました。
母はやさしいときもあるのですが、私が何か失敗すると「ダメな子」と叩いて叱り、ときには首を絞められたことも……。
そのときは、やさしい母が怒るのは、期待に応えられない自分が悪いからだと思っていましたが、今思えば、私は物心ついたころから男の子として生きたかったのかもしれません……。