「障がい者」という社会のタブーを超えて、人々に笑顔を与えるカフェ。
コーヒーの産地として名高い中米ニカラグア共和国。広い国土に湖や火山、ジャングルなど豊かな自然に恵まれているが、一方で「中南米最貧国」でもある。この地域に世界中の誰もが使える「共通言語」で、人々を笑顔にさせるカフェがあるのだとか。
言葉を交わさないカフェ
スペイン語で「笑顔のカフェ」という意味を持つ「Café de las Sonrisas」がそのカフェだ。かつてスペインの植民地で、公用語がスペイン語のニカラグア共和国。しかし、このカフェでは客と店員が言葉をかわすことは一切ない。なぜならここで働くスタッフはウェイターから料理人まで全員が難聴であり、いわゆる「障がい者」だからだ。
Photo by Café de las Sonrisas
ニカラグア共和国では2003年の時点で10人に1人が何らかの障がいを持っているのに対し、多くの企業では従業員数50名に対し2人の障がい者を雇うというニカラグアの法定基準が守られておらず、障がい者の失業率が約99%にも上るという。
Photo by Café de las Sonrisas
この現状を打破するべくスペイン人のアントニオ・ピエトロ氏がNPO「Centro Social Tio Antonio」