#005 長野と東京の2拠点生活をする男性が、「ホテルで一人暮らし」から「39人との共同生活」にシフトした理由|渋谷の拡張家族ハウス「Cift」が描く未来の生き方
自分の親は大学の教員をしていて、それ以外の職業って全然知らなかったし、自分も進学校の高校に通っていたんだけど、街で会う大人たちは、中卒、高卒の人も多くて、フリーターでバイトをしながら音楽をガシガシやってますっていう人とか、「俺は日本全国にライブハウスをつくる!」って野望を語ってくれる経営者とかもいて、生き方の多様さを教えてもらった。 東京の大学に進学してからも2週間に1回くらいは週末群馬に帰っていたんだけど、その頃から街が変わっていったんだよね。大型商業施設ができて、街中の古着屋とかセレクトショップもどんどんなくなっていって、すごく悲しかった。自分の好きな場所、自分を育ててくれた街がなくなっていくことへの寂しさと危機感は、今の仕事に至る大きな原点だと思う。
2009年、大宮さんが大学3年生の時に撮影していた高崎の街並み。当時、こうした建物がどんどん壊されていっていたため、「なくなってしまうかもしれない」と思って、よくフィルムで街を撮影していたとのこと。Photo by Toru Omiya
アーヤ:でも、高崎の街おこしではなくて、小布施に…? 大宮:大学院にいた頃に、高崎の中心市街地の活性化に関わらないかっていうお誘いと、小布施の町長から、今までとはまったく違う形のまちづくりをしたいから一緒にやらないか、っていうお誘いとを同時期にもらったんだ。