#005 長野と東京の2拠点生活をする男性が、「ホテルで一人暮らし」から「39人との共同生活」にシフトした理由|渋谷の拡張家族ハウス「Cift」が描く未来の生き方
最初は同時並行で関わっていたんだけど、徐々に高崎のプロジェクトのほうは、面白いけれども、違和感ももつようになったんだよね。 高崎のほうはどちらかというと民間ベースで、行政に頼らずに進めていくプロジェクト。身内のような信頼できる知り合いと一緒に活動させてもらっていたし、ある種とても恵まれた環境だったんだけど、そこに自分が役割を感じられなかったのと、活動をしていくなかで、僕はやっぱり行政のことがやりたいんだ、と気づいたんだよね。 大学の卒業論文を書くとき、「まちづくり条例」っていうものについて研究していて。たとえばある街で大きな商業施設を建てる計画ができました、と。でも住民は寝耳に水だった。そういうときに今までだったら反対する手段は裁判ぐらいしかなかった。でも裁判になったら完全に対立構造になっちゃう。
だからそれよりも前に、行政と住民とが、専門家も交えながら、お互いに調整をしていく…っていう仕組み。それがすごく面白かったんだよね。住民が声をあげられる手段があって、ただ単にクレーマーになってしまうのではなく、お互いがお互いに街をよりよくしていくために協働する。それこそがガバナンスだなって。 そういう行政の仕組みに興味を持つなかで、小布施のほうはまさに、「もっと行政を開いていこう」