“ナチスの根幹に関わった103歳の女性”の記憶を追うドキュメンタリー『ゲッベルスと私』の監督インタビュー
日本の歴史の授業でも必ず学ぶ20世紀最大の悲劇の一つ、ホロコースト。 第二次世界大戦下のアドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツによるこのユダヤ人大虐殺を正当化することなど到底不可能であろう。神保町・岩波ホールで6月16日から上映される『ゲッベルスと私』はナチスの宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッべルスの秘書として1942年から1945年の間に働いていた女性ブルンヒルデ・ポムゼルが当時の記憶を語る貴重なドキュメンタリー映画である。今回、同作の公開に向けて来日していたクリスティアン・クレーネス監督とフロリアン・ヴァイゲンザマー監督への単独インタビューが実現。なぜ彼らはナチスが敗退し70年以上経った今、彼女のストーリーを世界に届けたかったのか。
クリスティアン・クレーネス監督とフロリアン・ヴァイゲンザマー監督
悲痛な歴史を背負う103歳の女性の美しき肖像
『ゲッベルスと私』の製作を行ったのはオーストリア、ウィーンを拠点とする「ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクション」。同社は現代社会におけるあらゆる問題を高いアート性を持って映像化しているドキュメンタリープロダクションである。『ゲッべルスと私』は極端にミニマリスティックな映画といえるだろう。