元日本代表の23歳が選んだ、競技性を求めず「独自の世界観で魅了する、プロフリーサーファーという生き方」|“Road to Tokyo 2020” vol.1
という世代間に共通した疑念もあるようだ。四方を海に囲まれた島国の日本だが、国際的な大会が開かれるオーストラリアなどのサーフポイントに比べると波に乏しく、世界的な大会の開催地になることは稀だ。加えて、自然が相手なだけに、競技が行われる当日にグッドウェーブが起こるという保証もない。不安が尽きないなかで準備が進んでいる。それが実情だ。
(*1)サーフィンに適した波がくる場所
そのため、競技性を極めたアスリートとしての存在意義を一般的なプロサーファーが担い、サーフカルチャーの発信=広告塔としての存在意義をプロフリーサーファーが担うという構造になっているのだが、小林さんは自身を日本では稀な存在だといい、その理由をこう話した。そもそもサーフィン一本で生きていけるサーファーは国内外を含めて稀なんです。日本ではプロの資格を持っていても複業という形をとっている人が大多数。
個人でスポンサーと契約していくフリーはもっとシビアです。人を魅了し続けないと飽きられちゃうので。基本的には世界大会などで活躍していた人が、徐々にフェードアウトしてフリーに転向する、というルートが王道です。そういう人にはそれまでの活躍でファンがついているし、自分のブランドを立ち上げる影響力もある。