「ヒップホップかなんてどうでもいい」。突如として現れた、日本社会に“バグ”を起こすラッパー三人組
という。そこで、アメリカのレーベルと契約した彼らが目指すのは、日本のヒップホップやカルチャーの文脈を内側から壊していくことだ。これが彼らがメディアで言及している、“バグ”となること。この“バグ”という言葉に込められているのは、パソコンというハード自体を壊すのではなく、内部ソフトのプログラムを微妙に書き換えるコンピュータバグのように、既存の文脈に混乱を起こしたいという遊び心だ。これに関しても意図はなく、自らの表現を追求していたら、そんな存在になっていたと説明するのが正しい。だからこそ「シーンの真ん中にいるみたいだけど、どう考えてもこいつらおかしいよねみたいなことを俺らは目指したいですね」とTAITAN MANは言う。
(*1)暴力や犯罪をテーマとするギャングスタラップと呼ばれるジャンルのラッパー(*2)日常生活の何気ないことをラップにするラッパー(*3)オタク・ニコニコ動画文化を含む、アングラ文化出身のラッパー
常に自分を驚かせていたいし、ずれていないとおもしろくない
Dos Monosの活動において通底していることの一つが、「常に自分を驚かせていたい」という価値観。驚きは彼らのインスピレーション源であり、日々の活動への動機だ。