#18 日系アメリカ人家族の心の傷を漫画化。マイノリティの歴史を記録に残すことの大切さを訴えるアーティスト|GOOD ART GALLERY
ー家族に日系人の強制収容についてインタビューしてそれを漫画にしていくなかで、強制収容所について一番ショックだったことはなんだった?ショッキングなことはあんまりなかったかな。っていうのも、腹立たしかったっていう方が正確な気がするし、正直失望したって気持ちの方が強いかもしれない。収容所について家族が話したがらないことはわかっていた。でも実際に収容所に対する家族が抱える疑問とか心情を聞いてみて、みんなが沈黙のなかで苦しんでいたと知ることは辛かった。ー自分の家族の歴史を学ぶことがロージー自身にどんな影響を与えたと思う?世間知らずだったかもしれないけど、自分と家族のトラウマについて学ぶことが自分の気持ちを楽にしてくれると思ってた。カタルシス*2を探していたんだと思う。何時間も収容所についての資料を読んだり、オーディオインタビューを聞いて自分のおじいちゃんやおばあちゃんがどんな体験をしたのかを学ぶことは簡単じゃない。とても重かった。
普段は夢は覚えてないほうなんだけど、このときは核兵器の世紀末に自分がいるっていう悪夢をみて、汗びしょびしょで目覚めることも少なくなかった。そういう日は負のループに陥る。広島、長崎、北朝鮮、収容所、黄禍論*3、大統領令、ドナルド・トランプ…。