p.25 アパレルだけじゃない。“食”も考える企業「パタゴニア」がムール貝の缶詰を発売した理由|『GOOD GOODS CATALOG』
我々が本気で地球を守りたいのなら、それを始めるのは食べ物だ」という言葉が強く影響しているが、それはこの缶詰からも感じられる。ムール貝を養殖する際は、人間が餌を与える必要は全くない。貝自体で生命活動を維持できるからだ。このように人間の介入をほとんど必要としないため、ムール貝の生産においては、温暖化などの原因となり地球環境に悪影響を与えるような、生産活動にかかる二酸化炭素の排出を限りなく少ない状態を保つことが可能である。さらに、水を自身の身体を通してろ過することで水中にいるプランクトンなどを食べて成長し、海の栄養過多の状態を整えてくれるため、養殖する数が多いほど水質改善にも大きな役割を果たす。つまり、ムール貝は環境を汚染することなく、私たちにとって栄養素の高い食材(タンパク質、鉄分、ビタミンB12が豊富)になってくれるサステイナブルな海の生き物なのである。
海中のムール貝Photo by Amy Kumler
食材の生産と二酸化炭素排出の関係
ここまでムール貝の話をしたが、普段食材がどのように作られて、何を使って、どのような影響を地球に与えて私たちの口に運ばれてくるのかを考えたことはあるだろうか。