くらし情報『クリント・イーストウッド インタビュー 異色の題材から学び続ける80歳』

クリント・イーストウッド インタビュー 異色の題材から学び続ける80歳

というのは、いったんストーリーが世に出れば、それがそのストーリーのあるべき姿なわけだ。俳優を変えて、別の解釈でそれを作ることはできるだろうし、それは前作よりもよくなるかもしれないし、よくならないかもしれない。だが、私にとっては、いったんひとつの映画を作り終えたら、それはそこで終わり。何か別のものに進むものなんだよ」。

今回、“死後の世界”を物語の軸に据えたことで、否応なしに監督自身も死後というものについて否応なしに考えさせられたのでは?
「それについて考えずにいることも可能だとは思うけど、考えないといけない。それが存在すると想像しないといけない。だが、それはどのストーリーでも同じだ。ありそうにない状況にでも自分を置いてみないといけないんだ」。


“映画製作者”としての立場でそう語るイーストウッド。劇中にはニセモノの霊能力者たちも登場するが、彼らあの存在は物語上、重要であると同時に製作者の意図もうかがえるが…。
「あれは脚本の中でも興味深い要素のひとつだった。死後の世界が見えるなどと言って人々をだますことで生計を立てているニセモノたちの世界を掘り下げている。多くの人がああいうものを信じていて、それはそれで構わないんだが、死後の世界が見える本物と、ニセモノを比較するために、彼らの話を盛り込みたかった。

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