三浦友和インタビュー 妻役の石田ゆり子から「名前で呼んでほしい」と言われ…
でも、これが現実に起きていたわけです。その現実を前に、自分は俳優として何をすればいいんだろう?と考えましたね。ただ、資料は決して多くないけれどご本人に会うとやりづらくなるだろうと、撮影中もお会いはしてません」。
“絵に描いたような幸せそうな”とは言えないまでも、ごく普通の夫婦として20数年を共に過ごしてきた2人。三浦さんはこの夫婦像にどのようなイメージを持って臨んだのだろう?
「この映画で描かれる以前の2人は本当にごく普通の奥さんと夫なんですよね、愛に満ち満ちているわけでもないし。浮気もするし、11歳差というのは少し特殊かもしれないけれど、それすらもごくありがち。でも、借金を背負って旅に出るとなったとき、奥さんも付いて行くと言うわ、しかも病気だわで特殊な環境に身を置くことになる。そこから9か月間、車の中での濃い生活を送る中で、やはり生まれてくる“何か”があるんでしょうね。
そうして、普通とは言えない、常識の範囲を超えた夫婦関係ができていくわけですが、その流れ、過程が今回の映画の一番面白い部分なんですね。それをどう作るかがポイントでした。実際に、ワンボックスカーに入ってみると、本当に狭いんです。