2011年5月21日 13:25
ジュリアン・ムーア『クロエ』インタビュー 「これは私たちの人生を描いた映画なの」
だが、ある日生まれた夫の浮気疑惑により、彼女の心はかき乱されていく――。
「キャサリンは人生のこの時期に、統制力がなくなってしまったと感じているの。彼女は、夫や息子との関係を理解していると思っていた。でも、突然何もかもわからなくなって自分の手に負えなくなったと感じるの。自分が愛し、理解していると思っていた人たちとの距離が遠のいていく。こういうことは珍しいことじゃないし、誰でも共感できることだと思うわ」。
そんな彼女が夫の愛を確かめるために出た行動。それは、若い娼婦・クロエを雇って、夫を誘惑させることだった…。
「彼女は自分の夫を理解し、彼が望むものを見つけたいの。夫が若い女性と一緒にいたいのだと思っている。そして、彼女はクロエに何が起こったか話してと尋ねる。クロエは、キャサリンが彼と一緒にいるための身代わりだわ。クロエともつ親密な関係も、キャサリンが夫のそばにいたいからなの。でもそこに誤解が生じるの。映画の中にも、性について話し合うところがあるわ。どれほど危険で深い含みがあるのか、とても説得力のあるシーンよ」。
キャサリンが陥っていく心の“罠”について理解と共感を示す一方で、「この女性がすることは大きな罪だわ」