2011年9月15日 16:23
ウォンビン インタビュー 成熟した男の瞳で、新しい愛を魅せる
ほとんどのアクションを自らこなしていることからも、彼がこの作品にどれだけ情熱を注いでいるのか伝わってくる。「複雑なアクションもあり、トレーニングが大変なときもありましたが、いままでとは違うジャンル、試みたことのないアクションだったので、苦労というよりも楽しみながら撮影をしていました。ただ、演技と並行してのアクションは少し大変でしたけれど(笑)」。穏やかな笑みを浮かべて撮影をふり返るが、元特殊工作員という設定を、完璧にリアルに演じるには、相当の努力があったはず。
「相手を一撃で倒す武術をみせる必要があったので、フィリピンの“カリ”やインドネシアの“シラット”など3種類の東南アジアの武術をミックスして、“テシクの武術”という一つのスタイルを作り上げました」。やはり多くの時間を費やしてテシクを作り上げている。スタイリッシュでスピード感のある戦闘シーンはこの映画の見どころであり、これまで隠されていたウォンビンの男性的なカリスマ性が露わになる劇的な瞬間でもある。特に後半、テシクとベトナム人の殺し屋ロワンとの1対1のハンドナイフを使った格闘シーンや、クライマックスに用意された1人対17人の対決シーンは、残虐さ、美しさ、凄まじいテシクの怒りが、交響曲を奏でるかのように描かれる、映画史に残る名シーンと言ってもいい。