くらし情報『森田芳光監督×松山ケンイチの“相思相愛” ごく普通の日常にある“笑い”とは――』

森田芳光監督×松山ケンイチの“相思相愛” ごく普通の日常にある“笑い”とは――

それが僕らの何十倍も何百倍も面白いんですよ。だから、森田監督の演じてくれたものに追いつこうと必死でした」。悔しそうに、でも嬉しそうに語る松山さんの話を、隣ではにかみながら聞いている森田監督は、続けて俳優・松山ケンイチだからこそ任せた主人公の小町像をこう説明する。「僕が目指している笑いのツボって、瞬間芸的なものではなく、映画のストーリーに沿った人間的な笑いなんです。人間の正直さって、真面目にやればやるほど可笑しいわけで、それを松山くんならやってくれるだろうと思った。一流会社に勤めているけれど素朴で、かつ趣味を大切にしていて、名誉とかのために働いているふうでもなく、そういう現代のエリートですね、小町は」。

「俳優といっても自分の人格にないものは演じきれない」という森田監督の言葉は、キャスティングも重要であると伝えている。ちなみに、松山ケンイチ&瑛太の組合せは、脚本の段階から思い浮かべていたそう。
「どっちがサラリーマンでどっちが労働者かっていうのは難しいところではあったんですど、悩んだのはそれぐらいかな。コンビものとしては、これまでに『間宮兄弟』を作っていますけど、今回はああいうテイストの面白さではなく、2人がピュアゆえの面白さ、少し違った面白さを目指したんです。

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