くらし情報『『アーティスト』監督インタビュー 白黒&サイレントだからこそできた美しき物語』

『アーティスト』監督インタビュー 白黒&サイレントだからこそできた美しき物語

そもそもサイレント映画の脚本というのはどういったものなのか?監督は俳優たちにどのような演出をしていったのだろう?ここでもやはり、「ない」ということを逆手に取った監督の発想が活かされたようだ。

「脚本にはインタータイトル(挿入字幕/映像の合間に流れる字幕による会話などのセリフ)は書かれていますが、いわゆる俳優が覚えて読むようなセリフは一切書かれてません。役者からするとそういうものがあった方が演技がしやすいと思ったかもしれませんが、僕にとっては俳優がどんなセリフを言っているかというのは重要ではなかったので、あえて読ませるようなことはしませんでした。そういうわけで現場でセリフのやり取りはないわけですが、それよりも彼らをどう配置するか?彼らをどう動かせば物語がリズムよく回るかということの方が大切です。やはりセリフがないということはネガティブに捉えられがちですが、それによって俳優たちは別の表現を生み出すことができたと思います。いわば現場でのやり取りは、彼らにとってそれが有意義だと理解させる作業でもありました」。

印象的なのが、ジョージの控室を訪れたペピーが彼の上着に袖を通し、自らを抱きしめるシーン。

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