くらし情報『アルモドバルが、生きる愛。「とんでもない奴ら」に裏打ちされた愛のかたちとは?』

2012年5月15日 15:26

アルモドバルが、生きる愛。「とんでもない奴ら」に裏打ちされた愛のかたちとは?

(Photo:cinemacafe.net)

(Photo:cinemacafe.net)


ペドロ・アルモドバル。この名前を聞くと、条件反射的にどうしても胸が熱くなります。そんなファンは、決して少なくないことでしょう。映画業界にいて、年間何本もの映画を観て、その多くに期待を裏切られていても、決して期待することをやめないのは、彼のような映画作家が存在しているから。映画が与えてくれる多くの素晴らしい感情を、たっぷりと堪能させてくれるアルモドバル。今回もやってくれました。

世界が待望した最新作『私が、生きる肌』で描かれているのは、マッド・サイエンティストよろしく、とある人物に自らの研究成果である人工皮膚を移植し、亡き妻そっくりに改造してしまう天才形成外科医・ロベルと、彼が囚人さながらに幽閉している実験対象であるベラの物語です。

映画のキャッチ・コピーに「あなたは、これを愛と呼べるか――」とありますが、ここに描かれているひとつの愛は、自らの作品に恋してしまったマッド・サイエンティストの片思い。
交通事故で全身にやけどを負った妻が自ら命を絶って以来、移植可能な人口皮膚の研究を行い、焼いても損なわれない皮膚の開発に歳月を費やしてきたロベルは、ベラを妻に似せるよう手術を行いながらも、妻の代理ではなく一人の女性としてべラに恋してしまうのです。

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