くらし情報『【シネマモード】キッチンから見えてくる、甘酸っぱい素顔のイラン『イラン式料理本』』

【シネマモード】キッチンから見えてくる、甘酸っぱい素顔のイラン『イラン式料理本』

ほかの男性たちとは違い、妻を愛していると言ってはばからない夫を持つのは、監督の母親。登場する夫たちのいずれもが家事を手伝っていない様子ですが、監督の父親だけが、食事後の後片付けを「これは私の役目。誰にもさせない」と言って黙々と手を動かし続けているのも印象的でした。

ある女性は休憩の1時間程度を除いてはだいたい台所に立っていると、主婦の置かれた過酷な状況を教えてくれました。女性の社会進出が進み、共働きが増えている日本では、出来あえのものや、デリバリーで…ということも可能ですが、まだまだイランでは、じっくり時間をかけて手作りするのが当たり前で、それを女性がするのも当たり前と思われているようです。

ただ、先進的な家庭で育った監督は、妻に選んだ女性も先進的だったようで、自宅キッチンで語り始めた妻は少々横暴なくらい物言いが自由。たぶん知的な現代女性の代表なのでしょうが、少々空気が読めない人のようで、夫の友人がやってきた際も、缶詰のシチューを出し「おいしいね」と言われると、「これは缶詰よ」と言って一同をシーンとさせたという武勇伝も披露。女性たちが置かれた不平等について、かなり強い口調で持論を展開していて、母親世代とのあまりのギャップに、監督がちょっとかわいそうに思えてくるのが不思議です。

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