実話! ユングとフロイト…偉大な心理学者の関係と、歴史の陰にあるスキャンダル
歴史の中では、2人が1913年に長旅を共にしていたとき、互いの夢を分析し合っていたときに激しくぶつかり、破局したとも言われています(映画にもこの辺りの描写があります)。その後、ユングはショックから精神的な混乱に見舞われるのです。こういった経験を通し、彼が確立したのが分析心理学。フロイトの確立したものは“精神分析”と呼ばれ、それぞれへの支持を表明するとき、「ユング派」、「フロイト派」とされるようになったのです。詳しい理論の違いについては、ここでは言及しませんが、ご興味があれば調べてみたらいかがでしょうか。と、歴史上は2人の決別は学問上の理論の違いだったとの印象も受けますが、実はもっと根源的な人間性の違いによるものだったのかもしれない、と思わせるのが本作です。劇中、2人は激しく口論することはないものの、互いに近づきすぎたことで、目をつぶれない相手との違いに気づいていき、さらには、相手の抱える矛盾、自分の中の内なる矛盾にも気づいていきます。その様子は、フロイトとユングが展開するテクニカルワード満載の精神分析議論の中でも、大いに表現されていますので、このあたりは心理学好きにはたまらないのでは?
2人について、ユングを演じたマイケル・ファスベンダーはこう語っています。