2012年10月24日 11:36
シネマカフェブロガー初対談!「東京国際映画祭の魅力」 矢田部吉彦×雅子 <後編>
夢の中でもとり憑かれてます。
雅子:頭の中を覗いてみたいですね(笑)。一晩、考えに考えた末に外したりとか?
矢田部:もちろんあります。
雅子:夜中に書いたラブレターを朝になって読み返すような(笑)。
矢田部:背負いきれなくなったら周りに観てもらって、「いいよね?」と背中を押してもらいます。非常に孤独な作業であると同時に共同作業なんです。ただ合議制で選べば全てが中途半端になってしまうので、最終的には誰かが個性を汲んで選ばないといけないとは思ってます。
――先述の『最強のふたり』もそうですし、『アーティスト』で今年のアカデミー賞を制覇したミシェル・アザナヴィシウス監督の『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』(TIFF上映時の邦題は、『OSS 117 カイロ、スパイの巣窟』)が2006年のTIFF(第19回)でグランプリに輝いたり、TIFFで注目を浴びて、その後、世界的な飛躍を遂げる作品や監督、俳優も大勢います。
矢田部さんが関わってきたこの10年ほどの中でもいろいろな思い出があるのでは?
矢田部:アザナヴィシウス監督が受賞した際は、僕はまだ選定の責任者ではなかったのですが、『これがコンペ作品?』という声もある中で僕の前任のディレクターが選んだんです。