ハビエル・バルデム インタビュー 憧れの『007』への挑戦「特別な想いがあったよ」
やろうとしていることはとてもパーソナルで、世界滅亡を企む悪と比べたらものすごく小さいんだよ(笑)。でも、そこが面白いと思ったし、演じ甲斐があるとも思った」と、役への興味を語る。
ボンドと同じく、かつては“M”のもとでトップエージェントとして活躍しいていたシルヴァ。ある事件を機に彼のMへ忠誠心は崩壊、Mへの復讐心へと変わっていく。そんな複雑な一面を持った悪役を演じるにあたって、ハビエルが重きを置いたのは“居心地の悪さ”。サム・メンデス監督との話し合いで出てきた言葉をヒントに生まれたその居心地の悪さとは?
「まず、サムと話し合いをした結果、金髪にしようということになったんだ。というのは、今回のボンドの敵はとにかく居心地が悪い、思わずむずむずしてしまうような、そういう居心地の悪いものにしようということになってね。アグレッシブであっても、怖さであってもいい、どんな居心地の悪さでもいいから、とにかくシルヴァをそういう存在にしたいと思ったんだ」。
確かに、違和感のある金髪、話し方、歩き方、声のトーンに至るまで、言いようのない居心地の悪さを感じる。と同時に、そういう雰囲気をまるで最初から設定されていたかのような悪として、そこに“いる”のが、ハビエルが演技派と言われる所以でもある。