綾野剛が語る「真剣勝負」! 『シャニダールの花』に咲く男たちの感性に注目
“シャニダールの花”について橋本さんは「監督とお会いする前に台本を読んで、サボテンに咲く花の様に異物な感じが良いなと思い、多肉植物の花を中心に数パターンをデザインしました。その中で、年に一度だけ大ぶりの綺麗で妖しい花を咲かす“月下美人”をベースに描いた絵を見た監督が、『僕も月下美人をイメージしていた』と仰って、驚きと共にとても嬉しかったです」と語っている。
そんな橋本との仕事を、綾野さんは「真剣勝負」とふり返る。「橋本さんから役者に向かってくるパワーがものすごく強くて、毎回、『お前、オレの作った美術でどんな芝居するの?』って挑戦されているようでした。この作品を少しでも良くしたいという想いがひしひしと伝わってくる現場でした」と当時を語ってくれた。
この独自のセンスが爆発する2人の「真剣勝負」を、見事スクリーンに焼き付けた石井監督。やはり独特の緊張感が漂う現場だったようで、「綾野くんは、セットに入ると僕らが飾ったものを一通り手に取って役の生活をイメージしていきます。引き出しなんかも全部開けます。
僕らは芝居で使わない引き出しなどは中身を入れないのですが、綾野くんは芝居に使える物はなんでも使っていくので気が抜けませんでした」。