くらし情報『バブルへの怒りが生んだ『ラピュタ』『トトロ』…冷戦後の混沌で『紅の豚』が誕生』

2013年9月9日 16:56

バブルへの怒りが生んだ『ラピュタ』『トトロ』…冷戦後の混沌で『紅の豚』が誕生

『経済大国になって日本はすごいんだ』、『ジャパン・イズ・No.1』とかね。それについて僕は頭に来てました。頭に来てないと『ナウシカ』なんか作りません。『ナウシカ』『ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』というのは、基本的に経済は勝手に賑やかだけど、心の方はどうなんだ?とそういうことを巡って作ったんです」と明かした。当時と変わらず、いや当時以上に株価や経済効果が声高に叫ばれる現代において、30年を経てもなお初期の作品が愛され続ける理由が分かる気がする。

その後、「ソ連が崩壊して、日本のバブルも弾けていき、その過程でもう戦争は起こらないと勝手に思っていたら、ユーゴスラビアが内戦状態になるなど歴史が動き始めた。いままで自分たちがやって来た作品の延長上では作れない時期が来た」と述懐。その結果、「体をかわすようにブタを主人公にしたり(『紅の豚』)、高畑監督はタヌキを主人公にしたりして(『平成狸合戦ぽんぽこ』)切り抜けたんです」。


『魔女の宅急便』、『紅の豚』に登場する街のモデルがアドリア海に面するクロアチアの街であるというのはファンの間でもよく言及されるが、美しい自然を持つ街が戦火に巻き込まれていくことへの哀しみが、作中の美しい街の描写に込められていると言えるのかもしれない。

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