【インタビュー】『17歳』マリーヌ・ヴァクト 仏映画に咲いた新「美の女神(ミューズ)」
本作は春・夏・秋・冬の4つの季節を通して描かれる。第1幕となるのは夏のシーン。17歳の誕生日を迎え、ドイツ人の彼氏にドギマギしながら少女らしい表情を見せながら、恐る恐る初めて“未知なる世界”に足を踏み入れる。そして、第2幕となる秋のシーンに切り替わると大人っぽいスーツを着て、高級ホテルで客を取るようになっているのだが、そこでもまだぎこちなさは残っている。しかし、第3幕の冬のシーンでは驚くほど大人びた表情を見せる。少しひねたような歪んだ微笑を浮かべながら、世の中を見ているのだ。
このイザベルの絶妙な表情のさじ加減をどのようにして生み出したのか。そして、どんな風に役へと入り込んでいったのだろうか?
「彼女の心境を完全に理解できるとは言えないけど…彼女という人間に感銘を受けて、この役に一定期間、没頭したいと思ったの。
そして役を演じるうちに、自然に自分自身のある部分が彼女の中に交わっていったわ。
(ヌードシーンは)初めは少し怖かったけど、最終的には、ほかのシーンと同じように対処したわ。撮影や自分の役柄にすっかり入り込んでいたから、シーンの時には素の自分のことはすっかり忘れていたの。それは、とても素敵な心地がした。