【シネマモード】『アデル、ブルーは熱い色』…カンヌを魅了した新鋭アデル・エグザルコプロス
人を愛するとは、その人をいったん受け入れたらすべてを受け入れ、問題が起きたら話し合い、関係を続けること。それは可能だと思うわ」。
これは、男女間の恋愛でも同じこと。「撮影中はレズビアンについては全く話題にならなかったの。それが、作品が発表され、レズビアンの物語だと言われてがっかりしたわ。レズビアンのセックスはあんなではないというコメントをした人もいたけれど、それもちょっと的外れだと思う。ただ、セックスシーンに気づまり感を覚える人がいるのはよく分かるわ。あれほど濃密なベッドシーンに長い時間を費やすのは珍しいことだから」。
衝撃的な愛情表現に戸惑う人もいるかもしれない。それでも、この作品は多くの人を惹きつけてやまない。
「このストーリーは本当に普遍的で、誰もが自己投影できる話だと思うの。周りの人たちも、こういう初恋の感情はよく分かると言ってくれたわ。役者にとっては嬉しい賛辞。そういってもらうために、私たちは映画を撮っているのよ」。
誰にでも覚えのある恋を題材とした本作は、観る者にとってはもちろん、出演したアデルにとってもとても特別な存在に。パルムドール受賞後、女優としての意識に何か変化はあったのだろうか。