【インタビュー】『チョコレートドーナツ』アラン・カミング&監督が語る…“出会い”
最後の最後までこちらの予想を超えていくのがこの映画の魅力」と、主人公・ルディを務めたアランは語る。
確かにポールとショーパブで出会い、マルコを引き取り、正真正銘の“家族”となるため法や社会と闘っていく彼らの物語は、冒頭、ルディのショーのシーンから一瞬にして観客を引き込んでいく。
それを裏づけるように、本作はシアトル映画祭、トライベッカ映画祭など世界中の映画祭の「観客賞」を総舐めにしてきたが、それにはファイン監督も驚きを隠せなかったようだ。「いわゆる“大衆ウケ”する娯楽映画ではないと思っていたので、(観客賞を)13、14と受賞を重ねていったのには本当に驚きでした。こればかりはなかなか狙ってできることではないですから」と謙遜。
アランも「私の期待を遥かに超えていました」と話す。「もちろん、この映画には成功してほしかったし、みなさんに観てもらえる映画であってほしいと願っていましたが、観客の反応は私の思いを遥かに超えていました」とふり返った。
しかし何より観客の心を掴んだのは、トニー賞受賞俳優でもあるアランの舞台で培った演技力だろう。
時にマルコを慈愛に満ちた眼差しで見守り、時にマルコのために激昂するルディを熱演したアランに、ファイン監督は「彼の名前を聞いた途端、ピンと来ました。