【インタビュー】『ぶどうのなみだ』大泉洋×安藤裕子 北海道の大地で初めて見つけたモノ
アオと亡き父、エリカと彼女を置いて去った母。親と子の結びつきの再生もまた、本作で描かれるテーマのひとつ。安藤さんが脚本を読んで、エリカという役柄に対し「うちの母親に似ていると感じた」というのは偶然とはいえ面白い。
「私自身とは少し遠いかなというのを感じてて、エリカの感情の起伏の激しさやケタケタと笑って包み込むような大きさ、人に勝手に料理を振る舞うようなところはまさにうちの母親なんですよね(笑)。私も歌うようになって、ガッと感情を出すようになったところはあるけど、それはあくまでも『人前に立つ安藤裕子』が持っているもので、子ども時代や若い頃をふり返っても、感情を人前でさらすようなこととは縁遠かったんです。だから、どちらかというアオとの殻の厚さに自分に近いものを感じましたね。人に何かを振る舞うってなかなかできないんですよ。『本当は嫌なのに無理して食べさせられてるんじゃないかな?』とか考えちゃう(苦笑)。
でも、うちの母は平気で振る舞うし、持たせちゃう(笑)。『ああ、うちの母親に似てる』って思いながら脚本を読んでました」。
北海道を舞台にした出演作ならほかにもある。陰を持った男ならこれまでいくつも演じてきた。